予防歯科
「治療 Cure」から「予防 Care」へ
歯科医療の流れは、むし歯を削る「治療」から、むし歯にならないための「予防」へ変わってきています。
実は、歯は治療すればするほど、弱くなります。
治療した歯の平均耐用年数は、レジン充填(プラスチックの詰め物)は5.2年、金属の詰め物は5.4年、被せ物は7.1年、ブリッジは8年となっています。一度治療した歯は、再治療が必要になることがほとんどなのです。そして、治療を重ねるほどに、歯を失うリスクは高まり、歯を失えば失うほど、口腔の健康を維持することが難しくなります。
できるだけ歯を治療しないですむようにすることが、一生涯、自分の歯でおいしく食事をするために、一番大切なことなのです。
長崎大学 新庄教授のデータ
歯科医院での定期ケア
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、歯科医院にて専用器具を用いて行う歯のお掃除のことです。
むし歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)や着色汚れなどは、毎日のブラッシングでは取りきれません。
歯科医院でPMTCを定期的に行うことで、毎日のケアでは取りきれない汚れや細菌(バイオフィルム)を取り除き、健康な状態を維持することができます。
ご自宅でのセルフケア
歯科医院でのプロの手による定期的なクリーニングも大切ですが、むし歯予防の第一歩はご自宅での毎日のセルフケアです。寿恵野歯科では、むし歯や歯周病になりにくいブラッシングのコツや、歯ブラシ以外の補助具を使ったケアの方法をご提案します。
3DS:むし歯や歯周病の原因菌を除菌する予防法
3DSとは、お口の中の菌を除菌する予防法です。むし歯の原因となる菌を除菌する方法と、歯周病の原因となる菌を除菌する2つの方法があります。
「歯磨きをしているのにむし歯ができやすい」「内服薬を使うのではなく、歯周病の原因菌を減らしたい」という方におすすめです。
歯型に合わせた樹脂製のマウスピースの内側に薬を入れ、1日5分程度歯にかぶせるだけで除菌できます。自費治療になりますが、お子さんから大人の方まですべての方に適用できます。
筋機能矯正(myobrace矯正治療)
こどもの歯列不正の原因は、口呼吸・間違った舌の位置・間違った飲み込み癖、指しゃぶりなど、間違ったお口の癖です。当院では、専用の装置+毎日のアクティビティ(口腔筋機能の矯正トレーニング)で、歯ならびを悪くした原因を改善し、あごの正しい成長発育を促します。
マタニティ歯科
マイナス1歳(ママのお腹の中)からの予防で、赤ちゃんを守る
各月齢時点における
むし歯原因菌が検出された子の割合
赤ちゃんの歯はいつ頃できるのかご存知ですか?
妊娠6週目くらいから乳歯が、妊娠3~4ヶ月で永久歯のもとができ始めます。この段階から歯を強くする栄養素を意識的に摂取することが、将来のむし歯予防につながります。
また、最近の研究結果で、妊娠中のキシリトール摂取が、赤ちゃんのむし歯予防につながることがわかってきました。
キシリトールを摂取しなかった母親から生まれた赤ちゃんのグループは、歯が生え始める6ヶ月を過ぎてから、明らかにミュータンス菌が見つかる確率が上昇。妊娠中の母親がキシリトールを摂取することで、感染を抑えられるのです。
出産後はなかなか治療に通うことができないため、妊娠中の歯科治療も大切です。
特に、妊娠するとホルモンバランスの乱れや食生活の変化などから、歯周病になりやすくなります。唾液も酸性に傾き、むし歯のリスクも高まるため、この時期の健診、治療が大切なのです。
感染症であるむし歯や歯周病…無菌で生まれてきた赤ちゃんに、お母さんのお口から菌を感染させてしまう可能性を少しでも低くしたいですよね。現在妊娠中の方、そしてこれから妊娠を考えている方も、キシリトールの摂取や健診・治療などでむし歯を予防しましょう。
できれば妊娠前からご夫婦で口腔ケアの意識を高めていくことが、ご自身と新たな家族の健康を守っていくことにつながります。家族の健康を守るヘルスサポートリーダーはお母さんです。
寿恵野歯科では、妊娠段階に応じた適切なアドバイス、治療を行います。
妊娠中の治療
- 妊娠初期
- 妊娠初期は重要臓器が形成される時期ですので、基本的に応急処置にとどめます。
- 安定期
- 安定期の5〜8ヵ月の間の治療がベストです。
この時期は精神的・身体的に安定しているので、この時期を中心に治療計画をご提案します。 - 妊娠後期
- 出産を控え身体への負担が大きくなるので、無理のない程度で治療を行います。